ひつじん
3兄弟のパパとして育児と資産運用を楽しんでいるひつじん(@hitujin03)です。
2019年に金融庁が報告した「高齢社会における資産形成・管理」の内容が世間を騒がせた「老後資金2000万円」問題。
私自身もかなり不安を覚えました。
当時は、資産運用を始めて1~2年ほどの時期であり、今のように運用の軸もあまり定まっていない状態でした。
職場でも話題となり、「退職金も減る一方だし、一生働かなければならない…」と嘆く同僚もいました…。
ですが、コロナ禍になって初の2020年家計調査報告を見ると、私たちの将来のモデルとなる65歳以上の夫婦高齢者無職世帯の月平均の支出額は「収入>支出」となり、なんと黒字化しています!
黒字化ということは、老後2000万円問題は解決したのか?と考えてしまいがちですが、実際のところはそうなんでしょうか?
このあたりを紐解いていこうと思います!
本当に2000万円も不足するのか?
さて、65歳以上の夫婦高齢者無職世帯の月平均の支出額の黒字化は本当なのか、総務省統計局の家計調査報告を覗いてみましょう!
※2020年家計調査報告より引用
内訳を確認すると
- 実収入 256,660円
- 支 出 224,390円
- 収支差 +1,111円(黒字)
ということで、わずかではありますが、しっかり黒字となっていますね。
これだけ見ると2000万円も不足するどころか、月1,000円程度ですが余裕が生まれています。
2017年は大幅な赤字だった
では、2019年当時の2000万円問題のデータはどうだったかというと
※2017年家計調査報告より引用
- 実収入 209,198円
- 支 出 263,717円
- 収支差 -54,519円(赤字)
なんと約5.5万円のマイナス!!
大赤字です(-_-;)
そして、年単位で計算すると
- 1年間 654,228円
- 20年間 13,084,560円
- 30年間 19,626,840円
となり、老後2000万円問題となってしまいます。
比較してみると
年 | 実収入 | 支出 | 収支差 |
2017年 | 209,198円 | 263,717円 | -54,519円 |
2020年 | 256,660円 | 224,390円 | +1,111円 |
差 | +47,462円 | -39,327円 |
2020年の方が、実収入が約4.7万円増加し、支出は約3.9万円減少していますね。
2020年は特別な年だった
2017年との対比で見えた2020年の収入増加、支出減少は、家計としては理想的な形です。
ではこれがどうして実現できたかと言うと、理由はひとつ、そう「コロナ禍」です!
収入の増加は、一人一律 10 万円の特別定額給付金の支給。
そして支出は、新型コロナウイルス感染症のにより、外出自粛や在宅勤務、度重なる店舗への休業要請や営業時間短縮要請により、食事代・交通関係費・旅行関係費などが大きく減少したことが大きく影響しています。
つまり、2020年度の65歳以上の夫婦高齢者無職世帯の月平均の支出額の黒字化は、コロナ禍によって給付金で収入が増え、自粛生活で支出が減ったことによる一時的なものと言えますね。
理由が判明すると後は簡単ですね。
老後2000万円問題は何も解決していないということです!
老後2000万円問題に備えて
この問題の解決に向けては、コロナ前の直近2019年のデータを参考に現状分析からはじめましょう。
※2019年家計調査報告より引用
- 実収入 237,659円
- 支 出 270,929円
- 収支差 -33,270円(赤字)
(端数処理でグラフと1円ずれています)
2017年より赤字幅が圧縮されているものの、赤字であることは変わりません。
そして、年単位で計算すると
- 1年間 399,240円
- 20年間 7,984,800円
- 30年間 11,977,200円
ん?
2017年より改善していますね!
年 | 実収入 | 支出 | 収支差 |
2017年 | 209,198円 | 263,717円 | -54,519円 |
2019年 | 237,659円 | 270,929円 | -33,270円 |
差 | +28,461円 | +7,212円 |
2019年の方が、実収入が約2.8万円増加し、支出も約0.7万円増加していますね。
支出の増加は消費増税がありましたし、説明はできるのですが、問題は収入の方です。
年金(社会保障給付)の収入増加で考えられるのは、年金生活者支援給付金。
これは、消費税率引上げ分を活用し、年金を含めても所得が低い方(65歳以上の老齢基礎年金受給者)の生活を支援するために、年金に上乗せして支給するものです。
それ以外の増加分、グラフの「その他」に分類される部分は正直不明です。
(勉強不足で申し訳ありません…)
ですが、理由不明な部分はないものと考えていた方が無難です。
ここは大人しく、2017年のデータに基づいて準備しましょう。
わたしは、投資信託で毎月15万円積み立てています。
そして、リターンは少なめに見積もり3%としてみます(過度な期待は禁物)。
お馴染みの楽天証券のシミュレーションで計算すると、年金受給前の20年後でも約5,000万円の資産を築くことができることになります。
将来の年金がどれだけ減額されるかは分かりませんが、年金抜きの資産額なので安心できる金額かなと考えます。
ちなみに、本題の2,000万円を確保しようとするとこれくらいの感じになりますね。
毎月6万円を継続積立できれば、理論上は20年後に約2,000万円を用意できそうです。
念のため、運用する投資信託の商品は、次のものが無難かと考えます。
- 楽天-楽天・全米株式インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
個人的なおすすめは、「楽天-楽天・全米株式インデックス・ファンド」です。
理由は、実際に運用して損益(%)が一番高いからです。
インデックスファンドで人気の
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」
「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」
と比較しても成績が一番いいです。
アメリカへの偏りが気になるようであれば、全世界に投資できる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」一択で大丈夫と考えます。
わたしも3人の息子たちの投資信託は、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の比率を高めようと考えている所です。
彼らは50年以上の運用期間を確保できるため、ひとつの国の割合を高めるよりも世界全体の方が無難かなと考えます。
(現状、このファンドの投資先の約60%はアメリカですが…)
全世界で言うと、個人的には「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」が好きです。
パフォーマンスも、今のところ「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」よりいいですね。
投資信託の運用成績はこちらの記事をご参考ください。
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老後資金2000万円問題は心配しなくてもよくなった?のまとめ
さて、データを基に老後資金2,000万円問題を考えてみました。
結論として、2020年のデータは不足額が減ったように見えるものの、その改善は一過性のものであり、今後は通用しないものであると言えます。
コロナで冷え込んだ経済状況がこんなところに誤解を招く影響を与えているとは考えもしませんでしたが、しっかりデータを見て理解すれば、誤った方向に進むことはないですね。
将来、年金がいくらもらえて投資信託の資産額がいくらになるのかは分かりません。
ですが、気づいたこの瞬間から、コツコツと資産を築いていきたいですね!
わたしと同様に子育てにお金がかかる世代の方も多いと思いますが、時折贅沢して子どもとの時間を楽しみながら運用資金を捻出していきましょう。
ひつじん
それでは、さいごまでご覧いただきありがとうございました♪
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